先日の5月25日(火)19:30〜21:30、
『オープンダイアローグについて学ぶ〜受けたいときに受けられる場をつくろう〜』の第3回の勉強会に参加しました。
サブタイトルは、
「NVC〜非暴力コミュニケーションを日常に活かす」
で、
講師の方は、
NVCのつどいを主宰されている、
有吉正樹さんです。
有吉さんは、
この連続講座の中で、
唯一面識のない講師の方です。
NVCについては、
これまでに何度かワークショップに参加したことがあり、
ニーズカードというものを使いながら、
お互いのニーズについて探っていくコミュニケーションのあり方が印象的でした。
ニーズ、については、
僕が今、
対話という営みの中で、
最も大切にしているモノの1つです。
その理由は、
僕が今求めているのは、
ある個人が抱えている問題を、
対話によって解決するという「問題解決」であり、
「問題解決」のためには、
問題を抱えている当事者が、
どうしていきたいか=ニーズ
を知る必要があるからです。
そのため、
ニーズを知るという点に着目して、
講座に参加していました。
この日のタイトルは、
「口喧嘩をつながりに変える会話術」ということで、NVCの入口を扱うということでした。
講義は、
カップルの口喧嘩を題材に
進められていき、
男性の方がパートナーに映画を観に行こうと誘っている場面で、
断られているversionと、
誘いが受け入れられているversionが紹介されました。
そして、
誘いが受け入れられている会話は、
お互いの願い=ニーズを満たす方法を共に創造する形になっている、
と説明されていました。
僕はそのカップルの会話と、
有吉さんの説明を受けて疑問が湧き、
次のような質問をしました。
「例えばNVCのような対話の手法を学んでいる人と、そのような対話の手法を全く学んでいない人同士では、お互いのニーズを満たし合うようなコミュニケーションは成立するのでしょうか?」
それに対して有吉さんは、
それに関しては講座の後の方で、
「銃弾を花束に変える方法」という形でお伝えするので、
そのお話が参考になるのではないかとおっしゃいました。
次に、
自分の願いを知るワークを行いました。
1つ目は、
エクササイズ1として、
「だれかとのやりとりでイライラしたことを思い出」
すことから、自分のニーズを知るワーク。
その後、
私たちの世界で行われるとされる懲罰的世界観と、
NVCの基本の型である修復的世界観の説明、
エクササイズ2として、
お互いにお互いのニーズを知り合うワーク。
そして、
「銃弾を花束に変える方法」の説明。
つまり、
相手の暴力的な言葉=銃弾、
に対してニーズを推測し、
それを言葉にして投げかける=バラの花束に変える方法について説明がされました。
この点に関しては、
理屈は分かっても、
ニーズを推測することと、
銃弾をバラの花束に変えて相手に投げかける習慣がないと、
その状況に遭遇した時は銃弾に屈してしまい、丁寧な対話を諦めてしまう可能性もあるなと思いました。
また、
最近、
よく利用しているネットカフェから出入り禁止を受ける、
という出来事があり、
一方的に銃弾を打ち込まれたまま、
対話を拒絶されてしまっている状況に遭遇しました。
そのような対話を拒絶されている状況においては、
どのようにコミュニケーションが行える可能性があるのか、
追究してみたい気がしました。
次に、
エクササイズ3として、
漫画『鬼滅の刃』の最後のボスキャラである、
鬼舞辻󠄀無惨のニーズを知るワーク。
「黙れ 何も違わない 私は何も間違えない 全ての決定権は私に有り 私の言うことは絶対である お前に拒否する権利はない 私が”正しい”と言った事が”正しい”のだ 」(講義のスライドからの転載した鬼舞辻󠄀さんの台詞)。
NVCには、
「暴力とは本当の願い(=ニーズ)の悲劇的な表現である。」
という考え方があるそうなのですが、
鬼舞辻さんのニーズは何か、
考えてみると、
超暴力的で恐ろしさを感じてしまう鬼舞辻󠄀さんの言動にも、
自分の中にもあるニーズと同じようなものから生じているのかもしれないなと、
思うことができました。
今回の講座を通じて、
お互いのニーズを尊重し、
知ろうとするNVCのコミュニケーションの方法や世界観は、
お互いの気持ちを理解し合うために、
とても有効な対話の手法であり、
姿勢だと感じました。
手段では対立が起きるが、
ニーズでは対立は起きない、
と、NVCの世界観では考えられているように、
今、
目の前の問題を乗り越えていくため、
人々と協力していく中で、
お互いのニーズを尊重し合いながら、
お互いのニーズを満たし合う、
素晴らしい解決策を考えていきたいと思います。
皆さんの本当のニーズは何ですか?
今回は以上です。
最後までお読み下さり、
ありがとうございました。